僕はいつでもキミの傍に

「……やっぱり……な」

小さく呟き、そこにあるはずのナイフが消えている事に気が付いた。

……俺の脳みそもたまには使える時があるらしい。

どうして霧島修司が俺を呼び出したか。

……そう、霧島は柏木瑞穂がここに居る事を知っていた。

そして俺が柏木瑞穂の傍にいては困るから……俺をあの場所へ呼び出した。

「……そうか……だから親父は……」

お節介が過ぎる親父の事を思い出し苦笑いを浮かべると……自分がしっかりと親父に似てしまった事を知り、なんだか可笑しくなった。

「……ずいぶん直接的過ぎて、逆に分かんなかったじゃん」

星マークを見つめたまま小さく呟き困った様に笑うと、携帯電話を取り出し……『彼女』の番号に電話を掛けた。
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