僕はいつでもキミの傍に

何故なら俺は、奴らが死んだ事を心の底から喜んでいる。

奴らが死んで彼女が救われるなら、それは最高の出来事ではないのか。

クスクスと笑い続け、格子の嵌められた窓からそっと空を見上げた。

漆黒の空には美しい満月が悲しそうに揺れている。

不意に叔母夫婦の優しい笑みが頭を過った。

……今頃、二人は泣いているだろうか。

……悲しんでいるだろうか。

ギュッと強く膝を抱えた。

それは幼い頃に小さく丸まり泣いていた自分の姿とダブり、それを振り払うようにブンブンと首を横に振った。

……俺は後悔なんてしていない。

だって俺は守れたのだから。

愛しい『恋人』を……そして大切な『親友』を。
< 181 / 289 >

この作品をシェア

pagetop