愛図~言葉なんていらない~
記念日当日。
試験直前、あたしはまた教科書を見ていた。
だって今日は、苦手な化学だから。
頑張って闘っていると……。
「実夏」
上へ浮かんだ教科書。
「利樹、返してよ~」
あたしの所に来てくれたのは嬉しいけど、今は試験で頭いっぱい。
右手を教科書に伸ばすと。
「へ……?」
パシッと掴まれ、薬指に冷たい感触。
利樹を見ると……
「愛してる」
今まで見たことのない飛びっきりの笑顔をくれた。