狂おしいほどに、恋の戯曲を



「ここで何をしている?」


「え、えっと…人を待っていてですね…あのその……。」



目の前にはスーツ姿の男の人。
すらりと高い身長も、引き締まってそうな体も
かっこいいけど、ちょっと怖い……。



「君、犯罪だって分かっているのか?」



「はい!?!?」


犯罪!?!?!?



「人を追いかけまわして…とうとう家まで見つけることが出来て、満足か?」


「いや、あの、意味が……」
「とぼけたって無駄だ!!!!!今から警察に行くか?」

「え、え…け、けいさ……?」


思わぬ事態にわけも分からず口をぱくぱくさせる私の手をその男がひっぱろうとしたとき、


「川崎さん!その子俺の知り合い!!!!」





ピンチの時はヒーローが駆けつけてくれるなんて、小さいころはよく言ったものだが、
彼は本当にヒーローなのだろうか?


私をスーツ男の手から解放してくれたのは、春日さんだった。


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