意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「え?」

驚いて見上げると、加奈ちゃんはニッコリと微笑んでいた。

「分かっちゃった?」

「うん。というか、前から気付いてた」

「前からって? 好きになったのは土曜日の夜なんだけど?」

「それはメグちゃんが自分の気持ちに気付いた時でしょ?
私はもっと前から気付いてたよ」

「え、いつ頃?」

「いつかなあ。最初に会った日かもしれない」

「それは違うよ。水嶋先輩の第一印象って、最悪だったんだから…」

「嫌いは好きの裏返しだったとか?」

「そうかなあ」

「それはどうか分からないけど、とにかく前から知ってたよ」

「そっか…。ごめんね、加奈ちゃんも好きなのに…」

「私に気兼ねは要らないよ。私じゃ見込ないし、よく考えたら好きっていうより、アタッカーとして憧れてるだけかも、って思うし…」
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