意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「あ、やっぱりダメだ」

「へ?」

先輩はまた私から視線を逸らしてしまった。

「先輩…私を守ってくれないんですか?」

「やめてくれ」

「先輩…」

私は悲しくなって目に涙を溜めていた。

先輩は、もう私に愛想を尽かしたのだろうか…

「そんな目で俺を見ないでくれ」

「もう私を嫌いになったんですか?」

「ち、違う。むしろ逆だ」

「どういう事ですか?」

「上目遣いのおまえを見ると、思い出すんだ」

「何を?」

「昨日のおまえだ」

「昨日の、私?」

何の事だろう…

「う、まずい。は、鼻血が出そうだ」

「鼻血?」

確か昨日も先輩はそんな事を言ってたような…
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