意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「なんだか恥ずかしいですね?」

とは言っても、せっかく一緒にいるのに、いつまでも黙っているのは嫌なので、頑張って話し掛けてみた。

「恥ずかしかった、の間違いだろ?」

「はあ?」

先輩は意味不明な事を言い、相変わらず私を見ようとしなかった。

「このまま学校まで一緒に行くんですか?」

「もちろん」

「先輩のファンが騒ぎますよ」

「構わない」

「私は構うかも…」

「おまえは俺が守る」

そう言って先輩はやっと私を見てくれた。

「先輩…」

ああ、先輩への気持ちがますます膨らんで行く…

私は思わず、上目遣いで先輩を見つめていた。
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