意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
タマ?

そう言えば先輩の後ろに玉田君が立っていた。

「玉田君…?」

「そうだ。タマにはおまえに何かあったら、すぐ俺に知らせろと言ってある。で、早速というわけだ。タマ、グッジョブ」

先輩が振り返ってそう言うと、玉田君は顔を真っ赤にしていた。

「これからも頼むぞ、タマ」

「はい。遼さんのためなら、何でもします」

「でもおまえ、恵に手出すなよ」

「大丈夫です。ボク、女には興味ないから…」

タマちゃんは、そう言って水嶋先輩の腕にしな垂れかかった。

「おい、やめろ。俺に触るなー!」

「次の授業始まってるよね?」

「こんな事してられないね!」

先輩達は放っておいて、私は加奈ちゃんと教室に急いだのだった。


『先輩と初登校』 (完)

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