意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜
「この際だから言っておく。この竹中恵は今日から俺の恋人だ。今度こういう事をしたら、女だからって許さねえ」

「………」

「分かったら、恵に謝って解散。もう授業が始まってるぞ」

3年生達は涙声で『ごめんなさい』と言いながら去って行った。


「先輩、ありがとうございました」

私は先輩にペコリと頭を下げた。

「なんだよ、それ。遠慮しなくていいんだぞ」

「はあ?」

「ガバッと抱き着いて、『怖かったの』とかって、するだろ、普通は」

「いや、それほどでもなかったから…」

「チッ。 早く来すぎたか…」

「ところで先輩、よくここが分かりましたね?」

「タマが知らせてくれたんだ」
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