【短編】天まで届け、この想い
なんで
私はひとり
悲しがっていたんだろう.
なんで
隆弘の気持ちを
考えて
いられなかったんだろう.
なんで
最後の別れの葬式で
隆弘になにも
伝えようと
しなかったんだろう.
なんで、なんで、なんで.
自分の情けなさに
どうしようもない思いを
かかえながら
ただひたすら走った.
走って
走って
走って.
たどり着いたのは
いつもあなたのことを
見ていた
あの野球場でした.