愛想人〜アイオモイビト・幼なじみ〜
そんなあたし達のやり取りに桐先輩は首を傾げていた。
「二人ってさぁー…どうゆう関係?」
はれ?
あたしと魁迩って言ったら幼なじみってことで有名なのに…知らないのかな?
今度はあたしが首を傾げた。
「あぁ、幼なじみなんですよ」
サラっと答えてくれた魁迩。
桐先輩が頷きながら「へぇ…幼なじみの上、学校の王子様の片思いって訳ね」なんて言っていたのは聞こえなかった。
「おい、梨羽。 荏螺 桐には必要以上に近づくなよ」
桐先輩が去った後の第一声がコレだ。
てか………
「なんで桐先輩には近づいちゃダメなのよ?」
そうだよ。
せめて理由くらい教えてほしい。
睨んでいるつもりだが魁迩の方が身長が高いのでどうしても上目遣いになってしまう。
陰に移動していたので本性を丸出しな魁迩。
「あ? んなの荏螺桐の噂で分かるだろ?」
お前、馬鹿じゃないの?という意味を含めながらあたしを呆れたように見てくる魁迩。
桐先輩の噂………。
頭を捻って考えていると予鈴のチャイムが鳴ってしまい、後で考えることとなった。