小さな恋のうた
居間に行くと、母さんが僕の朝食の準備をしてくれている。

「父さん、今日も朝早かったの?」

さっきのことはちょっとおいといて、先にそうきいた。

「うん、今日も早朝からロケだって・・・でも今日は早く帰れるかもっていってたよ。」


最近父さんともすれ違いで、ちゃんと話してないな・・・色々話したいなって思った。

母さんが作ってくれたおにぎりとお味噌汁は、相変わらず美味しくて、たくさん食べた。
そんでもって、いつものように牛乳を飲む(苦笑)


早く大きくなんないかな・・・




「ねえレン、さっき芸能プロダクションの人がモモをスカウトにきたんだけどね、もしかして学校とかにもそういう人とかきてる?」

不意にそうきかれて、学校ではモモとクラスが違うし、良くわかんないよって答えた。


「あの子はやる気が全くないのに、結構色んなとこからオファーがきて、困ってるんだよね・・・
さっきの人は、今日子さんとこの事務所の人だったから、いっそのこと籍だけおかせちゃおうかとも思うんだけど。」


ちなみに今日子さんてのは、母さんの親友の女優さんのこと。

「モモがやりたくないなら、やめたほうが良いんじゃない?」

そう答えたら、やっぱそうだよねって、母さんが悩んでいた。


「あの子ってば、なんて言って断ったと思う?
芸能人になると、自由に恋愛が出来なくなるから嫌だって言うのよw
全く、生意気なことばっか言って、困っちゃうわ・・・誰に似たんだろう?」


好きな子でもいるのかしら・・・そうぼんやりと母さんは言った。


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