DOUBLE STEAL ~イシヲモツモノ~

「ごめん。悪かったよ……本当は分かってるんだ。自分でもそう思ってる。今日の事だって未央が見ているかも知れないのに、好きでも無いのにって後ろめたい気持ちでいっぱいだった。合わせる顔がないと思った。だから……車の中で待ってたんだ。未央が眠ってしまうのを。明日の朝なら顔を合わせても、少しは気が楽かも知れない。そう思って……だから……」

 長い腕で包み込むように、小柄な未央を抱き締める。

「好きなのは未央だけだ」

「………ホント……に?」

「ああ」

「じゃあ……もう絶対……他の人にあんな事しないっ……て約束して」

 顔を上げた未央に微笑んで肯く。

「ああ、誓うよ。これからは未央だけだ。未央を愛しているから」

「………もういっかい言って」

「未央を愛している」

「……もういっかい」

「愛している」

「もういっかい」

「愛してるよ。未央――」

「もういっ……」

 繰り返す未央の顎を押し上げ、千聖は深く長く口づけた。

 小さな宝石を散りばめたような空に、星が流れた。



…★……★……★…


☆NEXT☆


「とうとう集まったね。影の石」

「ああ。だけどまだ謎は残っている」

「じゃあ次は何をするの?」

「メモに書かれた謎を解くんだ」

「メモってどんなの?」

「影の名を呼び頭を捻れば―― 未央?何してるんだ?」

「準備体操よ」

「なんで?」

「だって急に頭を捻ったら首が痛くなるもの」

(一人で考えた方が良さそうだな)


  MISSION 25 
  ― 初めての……? ― へ続く。



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