Faylay~しあわせの魔法
「ローズさん……フェイレイさんは?」

顔をしかめながら起き上がったヴァンガードに手を貸し、立たせてやりながらローズマリーは答えた。

「魔王のところへ行ったわ」

そう言った直後、奥の方で爆発が起き、城の壁が大きな塊となってローズマリーたちに襲い掛かってきた。

咄嗟にヴァンガードが防御壁を展開し、それを防ぐ。

「始まったようね。急ぎましょう、フェイレイくんをあのまま放っておけないわ」

「どうかしたんですか?」

「……行きましょう」

ローズマリーに手を引かれ、ヴァンガードも走り出す。


世界を、三種族を巻き込んだ大戦の最後が今、訪れようとしていた。





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