Faylay~しあわせの魔法
リディルの声に呼応するように、フェイレイの背後に白い光が現れる。

白い甲冑を纏った金髪碧眼の青年、ランスロット。

彼はフェイレイの肩に両手を置き、にこりと微笑んだ。

『ありがとう、リディル。フェイレイを正気に戻してくれて。あのままでは私が介入することは難しかった』

背後から響く穏やかな声音に疑問符を浮かべながら、勝手に持ち上がっていく腕に抗おうとする。

しかしフェイレイがどんなに抗おうとしても、身体のすべてが言うことを聞かない。

それをリディルは哀しげに、魔王は憎々しげに眺めている。

2人とも何か知っている。

フェイレイはもどかしい思いで、それぞれ違う表情の2人を眺めた。

一体何がどうなっているのだ。

頭は混乱するばかりだ。

『あのまま、何もかも忘れたままでいてくれれば良かったんだ。そして流れに逆らわず、魔王を倒してくれたら……愛しいフェイレイの傍に、いさせてあげたのに』

ランスロットはリディルに視線をやり、不気味な微笑を浮かべた。

「そしてティターニアの力を操るつもりか」

魔王はリディルを背に庇い、黒い剣を構えた。

「どこまでも卑劣な男だ」

「な……何を言ってるんだ?」

フェイレイには何がなんだか分からない。そのうち手が剣の柄を強く握り締め、全身が攻撃態勢に入った。

「──なんでっ……!!」

剣が全力で振り下ろされる。

歯を食いしばって抗っても、それは何の意味も成さない。凄まじい衝撃波が魔王とリディルに襲い掛かった。

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