オッサン革命

act12.時間を2乗して数えてみる




「悪趣味な」

「ここまで来て、抵抗できる女はいねぇよ…」

「悪趣味な」

「それ2回目!」



静かな夜、
床に倒れた女
床に倒れた女の上に乗る男
体勢はどう見てもアレな状態であるにも関わらず、役者は足りていなかったようだ


「ほーらーちゃんと嫌がんないと犯されんぞっ」

「わー困ったなぁ犯されたくないなぁ早く退いてほしいなぁー」

「俺とこーゆー事しても、平気なん?、おまえ」

「嫌だけどー」


杏子は宥めるように聡太の肩を押す。聡太は尚更、体を倒した。2人の体が密着する



「…けど?」

「けど面倒。聡太には信頼があるからいいかなーと」

「…そんなの、わかんねぇだろ」


信頼関係なんて曖昧なもの


躊躇う気持ちが薄れ、半ば勢い任せに顔を下ろした



、やっちまった




顔を起こすと杏子がバカにしたような笑みを浮かべていた


「聡太って、酒乱?」

「…ッ」


余裕が無いのはこっちだった

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