DesTroMentaL ParaSity
―デストロメンタル パラシティ―
こうして視界全体を散々
涙で滲ませていく中で、
少女はようやくある1つの
結論に辿り着いた。
「――あ、そっか。これ
でもう私の傍には誰もい
なくなっちゃったんだ」
ここにきて改めて自身の
孤独を感じた少女は苦笑
混じりに呟くと、男が突
然彼女の元へ近づきその
場にしゃがみ込んだ。
「――俺がいてやるよ」
「……えっ!?」
野太い声で紡ぎ出される
あまりにも優しい男の言
葉に、少女は不躾なまで
に大きく目を見開いた。
「嬢ちゃんさえ望めば、
いくらでも俺が一緒にい
てやるよ。こんな事をし
た後だ、どうせ元の生活
には戻れねぇだろ?」
「………………………」
尚も柔らかい口調ではあ
るものの実に的を射た発
言を耳にするなり、少女
はあからさまに顔を背け
再び足元に目線を移す。
するとそこには、無残に
も変わり果てた両親が次
第に紅の海へと沈んでい
く様が見受けられた。
「俺だったら、嬢ちゃん
の痛みや立場も全部分か
ってやれる。なかなか悪
くねぇ提案だと思うが、
どうだ“Lucifer”?」
あたかもイタズラっ子を
彷彿とさせるような意地
の悪い笑みを携えた男が
そう言い募ると、容姿通
りの無骨な手を少女の前
に堂々と差し出した。
「そうね……“ボス”」
まるでかつての思い出を
無に帰すかの如く突きつ
けられた新たな名前と提
案に、少女は一瞬戸惑い
ながらもやがて顔を上げ
静かにその手を取った。