DesTroMentaL ParaSity ―デストロメンタル パラシティ―

そのあまりにも異様な光
景に流石に危機感を覚え
たのか、2人は顔を強張ら
せながら徐に席を立ち窓
側へ後ずさりを始めた。

ところがそれを許すはず
もなく、少女は尚も笑顔
を貼り付けたまま次第に
距離を詰めていった。




そしていよいよ彼らを射
程圏内に捉えると、少女
はさして躊躇うこともな
く右腕を上げていった。


「――――さようなら」




パン、パアーーーーーン




こうして硝煙混じりの無
機質な銃声が部屋中に響
き渡ると、少女の視界は
一気に開けて見慣れた白
いテーブルだけがありあ
りと映し出された。

それから数刻程遅れて、
血しぶきを伴った酷く鈍
い振れが不協和音を奏で
るかの如く大理石の床を
嫌に打ちつけていった。




始めこそ一種の高揚感に
理性までもが蝕まれてい
たものの、暫くして再度
足元に絡み付く悲惨な状
況を目の当たりにすると
少女の中で不意にあるも
のが込み上げてきた。


『……私を裏切ったパパ
達に仕返しが出来たはず
なのに、何で?何で?』


そう考えるうちに、とう
とう緊張の糸が切れたら
しく少女はいつの間にか
拳銃を手放しどこか頼り
なげに膝をつき始めた。




『――次から次へと涙な
んか出てくるのよぉ』




今や胸に鮮明な深紅を宿
したまま微動だにしない
両親の姿を眺めながら、
少女はただひたすらに大
粒の涙を流し続けた。
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