CALL =フィヨルド=



大通りを歩くことしばらく…


「…?ミカンさ~ん。ここはなんなんですか?」

高いビルが多い中、一際目立って高い丸いレンガ状の塔。



「あぁ、そこはね…」


ミカンが話す前に、塔の入口の自動ドアが開き、明るいエントランスの中から片メガネのかけたやや年上のレジェンドが出てきた。


「……!ようミカン。任務帰りか?」


「えぇ。さっき終わったとこ。ゼアンくんは?」


お互い臆することなく話す。フィヨルドもエルメスも、感覚的にこのゼアンというレジェンドが強いことを分かっていた。

少なくともミカンと同格かそれ以上…


「隊長が任務で出てるから、代わりに定例隊頭会に出席しろってさっき『レン』から…」

「ゼアンくん。レン『隊長』でしょ?同期だからって隊長相手に呼びすてにしちゃ…」


「あぁ…分かった分かった!」


後頭部をかいて面倒くさそうにするゼアン。


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