小春日和

ドンっ。

アタシは思いっきり教室の扉を叩きつけて中に入った。

「っ日和ちゃん、どうしたの?」

一瞬驚いた顔をしたけどまたいつものように笑って言った。

「ひどいよ、小春ちゃんのこと傷つけるなら今すぐ別れてよ!!」

アタシは野田くんの服を掴みながらそう言った。

「野田くんがそんな人だなんて思わなかった!小春ちゃんに全部話すっ」

そうだ、そうしよう。
アタシのことも、野田くんのことも全部言えばスッキリするんだ。

「まって」

野田くんがアタシの腕を掴んで耳元に顔を近づけた。

「俺、知ってるんだよ…小春先輩が日和ちゃんに告白したこと」

その言葉に一瞬ゾクリとしたあとカッと頭が熱くなった。


「いつまでそうやってるつもり!?好きな人苦しめて傷つけて楽しい?苦しくならない!??」

むかつくけど、きっと小春ちゃんのことは本気なんだ。
だったら本気だった野田くんの口から聞かせてよ!
いつまでも余裕な顔してないで…。

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