小春日和
まだ頭がダルイ。
でも思いっきり泣いたから気持ちはだいぶスッキリした。
恋が終わるのは簡単なことじゃないけど、今は本当に心から小春ちゃんの幸せを願える。
嘘じゃない。本当にそう思うよ。
「あ、カバン教室に置きっぱなし」
帰ろうと立ち上がったときにカバンを教室に置いたままだったことに気が付いた。
しかたなく教室に向かうと、話し声が聞こえてきた。
だんだんとハッキリ聞こえてくる話し声に自然と耳をかたむけていた。
「お前やるな~」
「ホントだよ、あの小春先輩だぜ?」
「いいよなぁ~」
小春ちゃん…?
「どうやって落したんだよ野田?」
「てかお前由加里ちゃんはどうすんだよ」
野田くん?
由加里ちゃんって誰?
なんだか嫌な予感がした。
「ん~小春先輩と付き合えるから由加里ちゃんとは別れるよ。つーかもともとアイツとは遊びだったし」
「うわぁ~ヒドイやつ」
遊び?
野田くんってそんな人だったの?
小春ちゃんのことも遊びなの?
そんなの許せない。
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