涙の数だけ幸せになれる

逢いたかった!

SIDE悠司

俺は福島の新幹線で福岡にむかっていた。
夏休みは三日間だけ親戚の家に行くのだ。
親戚のおばさんは優しいし、親戚の娘は人なっこい。まるで聖羅みたいな子だ。

聖羅からなんの連絡もなくもう結構すぎた。
俺は聖羅に忘れられた。
そんな気がしていた。

そうえば聖羅も福岡にいったな……
あえたら奇跡だ。

そんな事を想っていた俺に奇跡が起きた。

「こんちはー」
俺は親戚の家に入った。
「あら、悠司君いらっしゃい」
おばさんはニッコリ笑って迎えてくれた。
「“海恋”は?」
「“海恋”の友達がとまっているの。仲良くしなさいよ」
「はーい」
そういって俺は居間でくつろいだ。
くつろいで何分立っただろう。
階段から海恋達が降りてきた。
その時俺は目を疑った。
「せ…聖羅?」
名前が漏れるように出た。
「聖羅だよな?龍崎聖羅?」
聖羅はきょとんとした表情で俺を見る。
「悠司にー?聖羅しってんの?」
「昔、学校が一緒で…」
「あのさ、悠司にー。聖羅ね、昔の記憶無くなったの」
「は?」
俺はきょとんとした。
記憶が無くなった?
「記憶喪失らしい」
海恋は冷静にいった。
まぢかよ…
まぢかよ…
まぢかよ!

俺は聖羅の前から消えた。
嘘だろ…
俺との事忘れたのかよ…

俺はそのまま地面に倒れるように座った。
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