ACcess -縁-
雨の音。
草を踏み締める音。

その音だけだったはずなのに、固い音がどこか遠くでするような気がした。

カツン、カツン――

聞き逃してしまいそうな小さな音。

なんだろう…。

でも別に何だって良かった。

他のプレイヤーや、もしかして敵が見えないだけで、遠くの方でうろついてるかもしれないし。

ただの音、BGMだろ。


カツン、カツン――

カツン――

――

音に気付いてすぐにその音は消えた。

やっぱしなんかの足音だったんだと自己解釈して、好きなアーティストのベストアルバムのCDをかけた。

いつもより少しボリュームを上げる。
うるさいと抗議する人間はまだ帰ってくる気配すらない。


歌を歌いながら、ペッパーと小雨の中を先へ進む。

ダンジョンを見つけて、宝部屋にでも行こう。

レアアイテムでも見つけて見せびらかそう。

まぁ、あったらの話だけど。


すぐにダンジョンは見つかり中へ入った。

ジメジメとしており、誰の気配もせず静かなものだった。

風の音がする。
きっと地下からに違いない。
俺は音のする方へ歩いて行った。
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