ACcess -縁-
音と風がする方へ歩く。

しかし行き着いた先は行き止まりだった。
「…あれ?行き止まりか…。
 やっぱマップ見なきゃダメだな。」

クルリと後ろを振り返り、元来た道を仕方なく引き返す。


一瞬何かの気配がして振り返った。
「…?」
特に何かある、という訳ではない。
気のせいか?

首を傾げ、戻る事にする。
「気にするな…ペッパー…。」
自分自身、そしてペッパーに言い聞かせる。


実はオカルティックな話はどうも苦手だ。
恐いとかそんなんじゃなく、心の奥がざわつく。

なんだろう…これは嫌な予感とか、そんな感覚に近い感じだ。
世間ではコレを第六感と言うのか?

とにかく、今は宝部屋に向かおう。


一階、二階、三階…。
敵や他のアバターに会う事もなく、下へ下へと降りてきた。

何だ?

少しずつモヤモヤとした気持ちに襲われる。

何故だ?

この小さな違和感。
この漠然とした不安感。

何かの気配に身構えつつ、俺は先を目指した。

今は、何も考えないようにするだけだ。

一人だからかもしれない。
だから、変に色んな事に反応しているのかも。

このダンジョンの雰囲気や音響、一人だからとか、そんなのが余計変に反応してるんだ。

そう自分に言い聞かせながら、俺達は潜っていく。
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