ACcess -縁-
どんどん消えていく目の前の光景。

そんな中、白くぼんやりと何かが見えた。


ッハァ、ッハァ――

トクン、トクン――


ゆっくり、ゆっくりと瞼が閉じられた。


声。


遠くで“自分”の名を呼ぶ声がする。


――


…!――


…み!――


「泉っ!」


ハッ!


歩が俺を呼んでいる声で、急激に光りが戻った。

状態が飲み込めない俺とお前。

「…歩?」
「…泉?」

奴の顔が俺を覗き込んでいるようで、視界いっぱいに怯えた目が映る。

椅子に座り、PCをかまっている訳だから、歩の顔が見えるのはおかしい。

そう思ったら、全身が痛い事に気付いた。
「…痛い。」
「お前…何してんだよ。」
「…?」

痛い体をゆっくり起こした。

左手はしっかりコントローラーを握っていて、椅子は倒れ、床に俺はいた。
PCは電源が落ちていて、右手はコントローラーを引き抜いているようだった。
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