ACcess -縁-
「…お前、何があった?」
そう聞かれるも分からない。

「…。」
無言でいると、もういいよと倒れたままの俺を起こした。

ベットまで行くのを手伝ってくれた。
全身が痛い。
頭もボーっとして、よく物事を考えられない。

肩を借りた時、アルコールの匂いが殆どしない事に気付く。
「…歩、飲み会は?
 カラオケはどうした?」
「ん?
 あぁ…。あんま飲んでない。ってか、途中で帰ってきた。」

バツが悪そうに、頭を掻きながら答えた。
「…?」
「なんだよ。
 ただ、忘れ物しただけだよ。それだけだ。」

そういうと隣の部屋へ行った。何を忘れたんだ?


目を閉じて考える。

えーっと、今日は一人でフィールドに行って、レアアイテムを探しに地下に降りて…。

降りて…?
あれ?

地下に行ってから何があった?
最下層で…宝部屋で何かあった気が…。

いや、宝部屋?
そこまで行ったか?


混乱する頭で、急いでPCを立ち上げる。

歩がまた顔を覗かせる。
「…泉、もう…。」
「なぁ…俺…。」

手を引っ張る。
「もう、やめとけ。」
「気になる、事がある。」
「いいからやめろ。」

歩が強く言う。

やめろ?
これを解決しないといけない気がするんだ。

「もう、本当に止めろ。」
その目は真剣だった。
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