ACcess -縁-
地下に潜るタイプのダンジョンはちょっと苦手だ。

恐い…その一言に限る。

なんでそう思うかはよく分かんないが、見えない所に何か隠すって基本だろ?

地上四階に拷問部屋なんかあるわけないし、牢屋だって二階に無いだろうしさ。

城の地下はイメージだけど、暗くてジメジメしていて…ほら、他のゲームやマンガなんかでもお城の地下の下水道から進入したり…とかってあるじゃん?
だから尚更嫌なイメージがある。

それに…このゲームだってすごくリアリティがあって、よく言えばすごく本物みたい。
悪く言えば、恐い。

そんな事考えていると泉みたいに何でも恐くなるから止めよ。

これでも俺は大学生だし。

アホらし。


壁に手を当てながら進む。

迷路で迷わないようにする裏技らしい。
まぁ、好きなように進んでもどうってことないんだが、念のため。

自分の足音が色んな所に反射して不思議な感じがした。

無駄にいろいろと凝っているゲームで飽きははしないが、たまに恐くなる。

人の気配も、敵の気配もしないから余計かな?

ダンジョンの面積は広い方みたいだから、そのせいかもしれない。
変な事考えるのは止めようって思ったばっかりなのに…。


何事もなく地下三階にやってきた。

今回も収穫無しか…。

壁から手を離して歩き出す。

宝部屋にでも行って帰るか。

そう思って角を曲がった。
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