ACcess -縁-
「何だ、アレ?」
「どれだよ?」
ペッパーは面倒臭そうに顎で指した。

すると、ソイツのペットがペッパーの胸に飛び付いた。
「…ふぇっ!?
 なっ…なんだっ!」
ペッパーはのけぞり、体勢を崩した。

水色のソレは、一度足元に飛び降り、右膝、左腰、右肩…とペッパーの体を足場にして頭の上へ跳び上がった。
「このっ!」
相方が捕まえようと手を伸ばしたら、次は俺の頭の上へ。
「お前嫌われてんじゃね?」
「ご…ごめんなさいぃっ!」
「ほら、しっかりしつけとけよ。」
「ごめんなさいごめんなさい!」
「…!?」
頭に乗っかっていたのを取ってソイツへ渡す。

そんな光景をペッパーは口を開けたアホみたいな顔で見ていた。
「…お、お前…お前!?」
金魚みたいにパクパク…。
お前は空気が足りないのか?

遠慮がちにソイツは手を上げて主張した。
「あの…もっとお話ししたかったんですが、僕の友達も来たのでそろそろ行かせてもらいます。」
「お前も待ってたのか?」
「いや…今メッセージが来て、ログインしてるなら一緒にレベル上げしようって。」
「その方がいいな。他にも教えてもらえよ。」
そう…オレ達と一緒に居るよりも、その友達と一緒にいる方がソイツの為になる。

知ってか知らずか、ソイツは嬉しそうにと笑った。
「はいっ!強くなります!」
「…お気楽なヤツ。」
「じゃあ…行きます!」
首を右に倒した。
なんとなくぎこちない動作に笑ってしまった。
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