かみさまの国
門を抜けても、依然として雲が広がっているままだった。
「おい。本当にここ天国なのかよ。」
何でもいいけど、夢なら早く覚めてくれ!!
「まぁ急かすな。もうちっと上の方に行くんだよ。」
そういっておっさんは近くに浮かんでいた雲に飛び乗った。
モフワッと潰れそうな音を立てた雲だったが、おっさんを乗せてふわふわと浮いていた。
「ほら。兄ちゃんも早く乗んな。」
「乗るって…」
オレは近くを漂っていた雲を手で引き寄せると、ゆっくりと方足を雲の上に乗せた。
そのまま力を入れて乗ろうと思ったが、
ボスッといって足は落ちてしまった。
「何だよ~兄ちゃん乗れないのか~」
おっさんがニヤニヤして笑っている。
「うっせーなー」
「さては兄ちゃん。心が純粋じゃないな??」
えっ…そういう事なのか…??
「冗談だ冗談。ほら、勢いよく乗らないとダメなんだって。
おじさんみたいにジャンプして。」
おっさんの助言を元に、オレはもう一度雲を捕まえた。
別に大きさはどうでもいいんだろうけど、何となく、さっきのよりデカイのを捕まえた。