引っ込み思案な恋心。-1st





「…あっ!!」



「思い出した?」



「うん。もしかして、体育祭の時……」



「俺、細井にああ言った時、もしかして柚に俺の気持ち伝わったかなって思ってたけど、やっぱ気付いてなかったんだな…」






そうだ。




体育祭の時、私が拓の好きな人のこと聞いた時、拓は答えようとしてくれていた。





…それが、拓の答えだったんだ……。






「ご、ごめん。気付かなくて」



「いや、気付いてなくて良かった。そしたら余計細井と気まずかっただろ?」



「あ…、そうかも……」



「遅くなってもさ、気持ちが伝わればそれでいい。俺、今幸せだと思うから」



「うん、私も……」








そうだね。




お互いに想っている人同士で気持ちが通じ合うことの奇跡がすごいと思うから。






今、この幸せな時間を大事にしていこう。








そうだよね、拓……?











            *fin*






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