ナミダボシ
「あ、今朝の子じゃん!!こっちこっち」
あたし達に気づいてくれたのか、大きく手を振ってくれる。
あたしは席と席の間を通り抜け、自分の席に座った。
すると丁度鐘がなり、SHRが終わった。
「同じクラスだったんだねー」
と、隣の席のパーカー男が話し掛けてくれた。
「オレ、斉乃陽介(サイノ ヨウスケ)。よろしくね」
彼はにっこり笑い、あたしの手を軽く握った。
「よ、よろしく」
「おい、こーたも挨拶しろよ」
彼は、自分の前に座っている男の子の後ろ襟をつかみ、無理やりこっちをむかせた。