甲子園の奇跡
*3
「「あ!」」

放課後、奈々と廊下を歩いていると前から歩いて来る集団。

その1人と目が合った瞬間、あたしは声を上げた。

同じようにあたしの顔を見て、声を上げる人物。


「諒大!これから部活?」

「心はこれから帰るの?」

諒大は野球部の練習用ユニフォーム姿で、傍にいる他のメンバーも同じようにユニフォームと野球帽を着用。


すると、諒大の周りにいた数名の男子生徒がらわらわらと、冷やかしながら話しかけてきた。

「諒大の彼女?」

「諒大、俺、聞いてないんだけど」


あたしは身振り手振りで否定をし、諒大は苦笑い。

「違うって。友達だよ」


諒大の声と共にあたしの視界に入ったのは…

"部活紹介の時に話してた彼"だった。
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