Promise at Christmas
車を走らせる間も頭に浮かぶのは彼女の笑顔ばかり。


いつから好きになったのかとかそんな過去のことはもう忘れた。


気付いたら目で追っていた。

他の誰も見えなくなっていた。


言葉を交わす度彼女を目の前に冷静を装いつつ、心の中ではバカみたいにはしゃいで。


理由なんて必要ない。

俺が彼女を好きだという事実。


ただ、それだけだ。




人と車でごったがえす交差点を通過して、ファミレスの駐車場に車を停めた。

エンジンを切って車を降りた俺は、店内に入りきょろきょろと中を見渡す。


傍では「いらっしゃいませ。お客様、お一人でしょうか?」というファミレス店員お決まりの挨拶。



「あ、いた」

目標を見つけ一歩一歩足を進め、テーブルの前まで辿り着く。


俺を待っていたのは妹、智帆(チホ)の「遅い!」と言う声。

…そして、智帆の向かいには俺の視界をいつも占領する彼女の姿。
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