僕の上司は彼女です。

そんなことを覚えてる自分になんだか笑えた。


ずっと忘れてたのに、簡単に思い出せるほどチカのこともチカと過ごした時間も鮮明に蘇った。


なんならあの頃の気持ちまで甦りそうで…慌てて蓋をした。


もう…あの頃じゃないんだ。

そう自分に言い聞かせ、俺は杏仁豆腐に手を伸ばした。


「……好きだよね~、杏仁豆腐…。」


「ん?…あぁ、うまいよなコレ」


「私、白いとこ嫌い」


「そうそう!
お前はそう言っていっつもフルーツばっか食うんだ。

だから俺が残った白いのばっか食うはめになってだな…」


「好きなんだったらいいじゃない!」


「まぁ、そうだけど…。

でも不公平だろ?大体比率の問題なんだよ。

白いの2個食ったらみかん…みたいな。それをお前が先にみかんばっか食うから…」
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