W☆
「いやぁ、本当に申し訳ない…彼にはいつも、ドアを開ける時には注意するように言ってるんだけど…」


店長の堺さんが、うなだれてため息をつく。
この様子だと、かなりの常習犯みたいだ。


すっかり面接の雰囲気ではなくなったけど、少し和んだおかげで完全に緊張感は吹っ飛んでいた。

ただ。


(さっきから、あのスーツの人…めっちゃ気になるんだよね…)


店長と一緒に事務所から出てきた、スーツの男性。

歳は私と変わらないくらいだろうか…事務所の端、私の斜め後ろに立っていて、ずっとこちらを見ている。

ここの関係者であることは間違いないみたいだけど、それにしてもあまりにジロジロと、失礼なくらいだ。


私は持参した履歴書を店長に渡すと、いくつかの質問に答えた。

とても集中できたとは言えなかったけど。
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