恋するキャンディ2私だけの甘々不良彼氏
お店に入ると、当麻くんもお爺さんもいなくって、カウンターには香純さんがひとりで立っていた。


店内にはお客さんが、数人。


「あら、さやちゃん! 久しぶりねぇ」


私と目が合うなり、すぐにそう言ってくれる香純さん。


確か香純さんと会ったのは、夏休み前の1回だけ。


それだけなのに、私のコト覚えていてくれたんだ。


なんだかすごく嬉しくなって、私も笑顔でカウンターへと近付く。


「香純さん、こんにちは。あの……当麻くんは」


カウンターのうしろに見えている、お店の2階に上がる階段を指差すと、


香純さんは首を横に振った。


「当麻? あぁ、今日はバイトじゃないわよ。多分……」


香純さんはそう言って、ワンクッション置く。


え……なに?



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