誠に生きた少女
一人の少女


文久3年、8月。
後の世で、多くの人の心を魅了することとなる新選組が誕生した。


その中には、名を記されていないものも存在する。
新選組に名前を変えた直後、新入隊士として入隊した、奥村雅貴。
彼は、訳あって存在を消された一人の新選組隊士である。


そして、もう一人、歴史の中で語られることのない隊士がいる。


誰よりも重い、零の名を背負い、新選組の幹部として貢献した。
近藤らとともに、京へ下ったあの日から、彼女は武士として生きた。
結ばれないと感じながらも、支えてくれた男に恋をした。


誰よりも武士らしく、誰よりも人らしかった。
この物語の主人公は、新選組ただ一人の女隊士、
夜風優希である。


彼女は、新選組の名を貰い受けた日、過酷な運命の道を歩き始めた。

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