誠に生きた少女

「白昼堂々とこんな道端で刀を抜くなんて、感心できませんね。」

優希の言葉に、兄貴分であろう男が豪快な笑い声を上げた。

「お前ら新選組だって、いい話ばかりは聞かねぇよ。お互い様だと思うがね。」
「俺らの仕事を、お前らなんかと一緒にすんじゃねぇよ。」

永倉が小さく呟くと、自分も刀を抜いた。

「優希、どっちにしろ話して分かる相手じゃねぇ。さっさと片付けて先を急いだ方がよさそうだ。」
「うん。」

永倉の言葉に、優希も己の刀を抜いた。

「ほぉ。ねぇちゃん、変わった柄の刀じゃねぇか。そんなに柄が真っ白くちゃ、血に汚れるぜ。」

浪人風の男が面白げに声を挙げた。
視線の先には、優希の持つ刀がある。

「大切な方に頂いた刀です。貴方なんかの血で汚すような、下手な戦いはしません。」

凛とした、透き通った声に一瞬浪人達に静けさが走った。
刀を構え、永倉と優希は互いに目の前の敵に集中した。

「零番隊隊長、夜風優希です。」
「新選組二番隊隊長、永倉新八だ。俺達を甘くみんなよ。金に目がくらんで雇われたことを後悔するぜ。」
「新選組隊士として、お相手します。」

優希の言葉を合図に、両者一斉に踏み込んだ。



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