蒲公英
「私、波止場沙羅」

「あ、俺、湧己。愛海湧己です」




沙羅は立ち上がって振り返った。

初めて間近で見た沙羅の笑顔は今でも脳に焼きついて離れない。

独特のアルトの声が優しかった。






そのアルトはためらいもなく僕を湧己と呼んだ。











その日から、4年間、ずっと。
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