紙ヒコ―キ
あたしは慌てて立ち上がる。
後ろには、追って来た男達。
逃げなきゃ、そう思ったあたしは、気付くと宮地葵に腕を掴まれて、走っていた。
「おい!逃げんな!!」
後ろで男達が叫ぶ。
宮地葵はただ走っている。
あたしはかなり速い宮地葵に引っ張られながら走る。
…すると、宮地葵は、一軒の家に入った。
そして、壁に身を隠す。
あたしを奥の方に押して、壁から男達を見ている。
あたしは息を殺して、目をギュッと瞑った。