空き瓶ロマンス
 


飴を袋ごと渡すと、兄は鳥辺野さんに気を遣ってか、



「あー、先生もいりますか?」



と、彼に袋を傾けた。




「赤信号になったら、一つ貰おう」





鳥辺野さんは正面を向いたまま、



極めて必要最低限な言葉だけを言った。



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