空き瓶ロマンス


その下で、演劇部達は唖然となっていたが、

一人だけ「百合子っ……」と、

引き攣った声を出した部員がいた。
 
グミだった。

「あれ、グミの猫?」
 
チャーキーが尋ねると、

グミはややためらってから、観念したように頷いた。

「何で学校に猫なんて連れて来たの」

「今朝方、怪我したの。

多分道で、落ちてたガラスか何か踏んずけて、前足をざっくりやっちゃったんだ。

それで、今日の帰りに病院に連れて行きたくて……」




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