空き瓶ロマンス



みちるは、目を伏せた。


「……僕の出生届を、役所に一年間提出しなかった。

だから、戸籍上僕は、母の連れ子ではなく、母が斎藤家に嫁いでから生まれた子、っていう事になってる。







……信じられる? 



僕は本当は十七歳なのに、戸籍上の僕は十六歳なんだ」
 





私達は、絶句した。


「……小さい頃から、他の同級生達と比べて、僕は色んな事が出来た。

何でもすぐ覚えたし、今じゃ平均程度でも、それこそ小学生の時はクラスで一番、体も大きかった。

だけどそれって、当たり前のことだよね。

だって僕は、他の子より一年長く生きてたんだから……」
 

生まれてすぐ、母親達の都合で、丸ごと一年ずらされてしまった、みちるの人生。


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