空き瓶ロマンス
 


しかし、その内容は少しおかしい。
 

『誰にも言わない代わりに、僕の話し相手になって欲しい』
 

お金も単位も要求しなかった。
 

私に会う事も、望まなかった。
 
どうしてなのか、ちょっと理解できない。
 
その事についても、みちるは語った。


「……一度目に、倫子を見付けて。

一緒にいたのが、鳥辺野先生なのが分かって。

その後、宗太兄さんが倫子のバイト仲間だって分かった時……僕は、兄さんに提案したんだよ。

『倫子を口説いたらどうか』って」


「……はぁ?」
 
兄は、素っ頓狂な声を出した。

(というか兄はさっきから、恐竜展のことを『あの時俺もいたのに……』と、ぶつくさ言っている……)


「それは、何で?」

 
私が尋ねると、みちるは無邪気に笑った。

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