空き瓶ロマンス



みちるは、私を抱きしめた。

いや、抱きしめたというより、抱き付いた、に近い。

小さな子供がお母さんに甘えるように、ぎゅっと……。


人目なんて、全然気にならなかった。



みちるは小さな子供みたいに。


本当に、泣きじゃくっていたから。


――私達は、双子だった。

生まれる前の十ヶ月。

私達は、誰よりも近い場所にいた。



そして、十七年後。




やっと今、私達は再会できたのだ。


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