空き瓶ロマンス
――今まで、どこ行ってた。
どこでもいいでしょ。
宗太は怒っているようではあったが、それ以上何も言わなかった。
そして、びくびくと横を通り過ぎるみちるを追わなかった。
「……そんなような事を、何回か繰り返しました。
学校終わってから、適当に学校で時間潰したり、図書館に行ったり。
だけどそれでも……僕がいない日は、必ず玄関にいるんです。
部屋にいる振りして、抜け出すってのも考えたんですけど、僕の部屋窓が無いんで、それも出来なくて……」
本来、南向きにあった窓は、本棚で潰してしまった。
「……で、遂にこれですよ」
みちるは、口元の痣を指差した。
「今日、音楽プレイヤー忘れたんで、それを取りに戻った時、兄に見付かっちゃって、
『最近、どこほっつき歩いてるんだ』って怒られました」