空き瓶ロマンス



「いいんだよ、もちろん。


でも何となく、サラダ系のやつ選ぶのかな~と思ってたからさ。


選ぶ時、結構熱心に見てたでしょ」


「サラダ?」
 

確かに、ウィンドウの中のレプリカには、ツナサラダやアボカドサラダなど、甘くない系統のクレープもあった。


実はサラダ系にはほとんど目もくれていなかったのだが、


その隣にあったチーズクリームアイスのブルーベーリージャムかけとは、大分迷ったな……。


「で、でも……みちるだって、甘いやつ飲んでるじゃん。


激甘オレンジジュース」
 


みちるが飲んでいるのは、以前、クラスの子が一口含むなり「原液っ!」と叫んで噴き出したやつだった。


その子曰く、かき氷のシロップと間違うくらいの激甘だったらしい。


学校の自販機にもあるのだが、その光景を目にして以来、私達はドクターペッパー以上に敬遠している。


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