家族ごっこ~want to become real from a fake~
寂しい思いをさせてごめんね、と心の中で思いながら、わたしはせっせと夕飯の支度を始めた。
一緒に生活している頃、私が作る料理の中で生姜焼きが一番好きだと言っていたのを思い出し、それを作る事にした。
『男は胃袋を掴め』と言うように私はどこかへ行ってしまった彼の気持ちを取り戻せる様に、と一生懸命作った。
ちょうど出来上がる頃、彼はやって来た。
ユウはすぐさまパパに抱きついた、というより飛びついた。
それに便乗して私も飛びついてみた。
どうしていいかわからない様子の彼は照れくさそうに私たちを抱き返してくれた。