家族ごっこ~want to become real from a fake~

彼は私を「憧れの人」だとか「手の届かない人」だなんて大袈裟に褒めてくれていた。

仕事面で褒められる事はあっても、こんな風に私に好意を持ってくれる人は今まで居なかったと思っていた私は、またここで過ちを犯そうとしていた。

彼は私より六つも年下で、正社員でもなく実家に住みつつ、フリーターで気ままに過ごしている人だ。

それなのに、私たちは日に日に距離を縮めていった。
彼が家に泊まる日も増えてきた。

ユウは彼が泊まる日が楽しみにしていて嬉しそうだった。
きっと賑やかな時間がまだ三歳のユウに安心感を与えていたのだと思う。



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