夢の彼方
「優奈、そろそろ撮影期間に入るわけだけど、子供たちのことで相談があるんだ」


ある日、会社へ出向くとルークがそう言った。


「子供たちのこと、ですか?」


「ああ。撮影中は、時間が押して帰りが遅くなることもあるだろうし、役作りやセリフの練習のためにときには他のことを後回しにしなくてはいけないときもあるだろう」


ルークは真剣な眼差しでわたしを見つめた。


「これは私の考えだが、そうした時に、子供たちに辛い思いをさせてほしくはないと思っている」


その言葉に、わたしも頷いた。


「そこで・・・・撮影期間中だけでも、家政婦を雇ってはどうかと思うんだが」


「え・・・・家政婦?」


「ああ。もちろん、信頼できる人物に頼むよ。君が仕事に集中するため―――その間に子供たちに不自由な思いをさせないため―――どうかな」


ルークの言葉に、あたしはちょっと考え―――隣にいたレジーを見た。


ルークの言っていることはよくわかる。


その方が子供たちにとって良いことなら、そうしてもいいのだろうけど。


ここは、レジーの考えが聞きたかった。


「―――そうだな。子供たちのこと、それから仕事のことを考えるとその方がいいんじゃないか?優奈にとって、初めての大きな仕事だ。集中できる環境があった方がいい」


そのレジーの言葉に、わたしの気持ちも固まったのだった・・・・・。
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